2019年4月22日月曜日

道楽作業に必要な骨董品と思われる測定機器類

以前 google+ で紹介していました測定機器類は2019年4月で抹消されました。今回単体ブログとして単独で立ち上げます。骨董的な測定器類を数多く収集し活用しています。真空管アンプなどを設計・工作においても測定機器類がないとアンプの特性が把握できません。又メーカー製機器において初期性能を維持するために必要な手足となるものです。個人的な記載内容であり誤解釈・誤記載もあると思いますが参考程度の掲載とご理解ください。記述内容は時々脱線しますが 真空管アンプシステム・アナログ機器を愛用している 無銭庵 仙人 と申します。

掲載している測定機類は製造後結構な年月が経過しています。骨董品 ? 骨董品とは骨董価値がありますが 産業廃棄物・粗大ごみの手前 ガラクタかもしれません。本人にとっては道楽作業に必要な宝物ですが。家族から見れば本人も真空管オーディオ機器も含め 粗大ごみ扱いかもしれません。真空管アンプはただのガラス玉と鉄の塊としか見えていないと思います。

道楽作業部屋の測定機器類
上記画像は道楽部屋に設置してある測定機器類です。いつでも稼働可能となるようにスチールラックに搭載です。製造後多くの年月が経過しているが 実働する測定機器類です。これらの測定器はメーカー校正はしておりませんが 0.5級以上の性能を有する精密測定器で随時自己校正してあります。

まずは電子工作入門者においては 工作・修理・調整・点検に必ず入手する測定器です。購入価格はピンからキリまでありますが 初期導入であれば数千円程度でも実用になると思います。信頼性を望む場合 国産測定器メーカー製ハンディー機を導入することを推奨します。真空管アンプキットを組み立てるにも最低必要な測定器です。入門者であれば抵抗のカラーコードも理解できていないと思います。現物の抵抗値測定が最初のデビューかもしれません。続いて電圧測定・導通試験になると思います。又他の電子回路工作にも活用出来ます。


① 通称テスター 回路計(マルチメーター)

真空管式アンプ・ラジオ・無線機工作用として一番最初に入手したテスターは入門者用途の 三和 JP-5型です。トランジスター回路などに使うにはJP-5型では性能が悪く AC:DC 2KΩ/V その後 三和 F-80TR DC:25KΩ/V AC:5KΩ/V ほぼメーター部だけの外観をしたテスターを購入しました。JP-5型は現物行方不明です。ただ F-80TR は実家のどこかにあると思います。その後 日置 OL-64D DC:20KΩ/V AC:8KΩ/V ,  横河 YEW 3201 DC:100KΩ/V AC:10KΩ/V へと推移しました。そのYEW 3201型は複数台所有しており 現在でも正常に動作します。恐るべき長寿命測定器です。そのテスターが下部画像です。

YEW 3201  JMU-Q1
上記画像はアナロク回路計です。通称テスターと呼ばれる測定器です。アナログ指針タイプで針先の目盛により測定結果を読み取ります。近年このようなメーター仕様のテスターは見かけるのが少なくなりました。ホームセンターなどで販売されているのはデジタルテスターが主流と思います。しかしいまだに上記アナログ回路計を複数台所有し活用している測定器です。回路計は約30年前にUSAジャンク店で自衛隊放出品(軍用規格品)を複数台購入です。当時YEW3201は一台5000円であったとの記憶です。JMU-Q1は一万円の出費でした。
この測定器では直流電圧(DC-V)・交流電圧(AC-V)・直流電流(DC-A)・抵抗値(Ω)の測定するための機器です。

直流電圧の測定 最大1200Vから最小0.3Vまで8レンジ仕様 100KΩ/V
交流電圧の測定 最大1200Vから最小3.0Vまで6レンジ仕様 10KΩ/V
直流電流の測定 最大1.2Aから最小0.012mAまで6レンジ仕様 メーター感度10μA/fs
抵抗値・導通試験 目盛表示に対する倍率 ×1・×100・×10KΩ メーター目盛 ∞~2K,1K,100,10,1,0の目盛で等間隔ではありません。測定電池電圧1.5V(単一乾電池1個)

右側の回路計は自衛隊仕様品 JMU-Q1 でYEW3201型に高電圧倍率器(DC:6000V)・大電流分流器(DC:12A)が筐体内にオプションで装備されています。
測定リード接続端子にOUTPUT と記載された端子は直流分阻止用として0.1μF/400WV のコンデンサーが V・A・Ω 端子に接続されています。
又交流電圧測定レンジにおいては AC:3V レンジではオーディオで扱われる実効値電圧デシベル dB 表示の目盛も搭載されています。基本単位は 0dBm:600Ω 1mW の電圧値 0.775V が0dBm の表示です。

YEW3201型 メーター目盛板
上記測定器は50年ほど同等機種が横河電機から販売されていましたが時代の流れにより数年前にカタログから消え去りました。この回路計は唯一〄規格品です。目盛板には class AA の表示もあります。

上記回路計の許容差
直流電圧 最大目盛の±2.5%
直流電流 最大目盛の±2.5%
交流電圧 最大目盛の±3.0%
直流抵抗 目盛長の±3.0%
指示計の電流感度 最大目盛にて10μA、内部抵抗9KΩ±20% JIS C 1102 1.5級

この回路計は量産品です。目盛板は手書き校正とは異なり印刷です。規格として上記精度ですが 現物は上記数値より誤差が少ない測定器です。自己校正作業の場合この数値以内であるかを確認するわけです。

複数台所有している YEW3201型は誤測定などによりテスター内部の部品は焼損事故も経験しています。故障した回路計はメーカー修理ではなく部品を調達して修復後 自己校正の結果メーカー出荷時のスペックは得ております。なお元々この回路計は保安ヒューズは取り付けられていませんでした。後期製造品及び軍用の JMU-Q1 は2Aの保安ヒューズが取り付けられており ヒューズが無い機種については改造して現在ヒューズが付き仕様となっています。注意した操作でもヒューマンエラーで誤測定は発生し最悪故障に至ります。
このように測定器の修理・校正作業は自己満足の作業で修復します。

参考記載 米軍仕様 アナログマルチメーター 

MULTIMETER TS-358B/U BARNETT INSTRUMENT CO.

上図はUSAジャンク店で購入した国産軍用回路計 JMU-Q1 のお手本となった回路計です。購入時未開封品です。試験成績書も添付されていました。メーター部は丸形で現在ではほとんど見かけない測定器であり実働します。


② デジタルテスター

安価なデジタルテスター
上記デジタルテスターは中国製の税込み1000円以下で購入したテスターです。国産ハンディータイプの高級品であれば測定レンジは自動切換えですがアナログテスターと同様に測定レンジは自己で設定しなければなりません。
添付されていた一枚の簡単な取扱説明書に記載されていた仕様

DCV (1000Vmax : 200mV / 2000mV  / 20V / 200V 1000V)
ACV (750Vmax : 200V / 750V)
DCA (10Amax : 200μA / 2mA / 20mA  / 200mA / 10A)
抵抗 (2000KΩmax : 200Ω / 2KΩ / 20KΩ/ 200KΩ/ 2MΩ)
内蔵乾電池 009P型 9V

上記仕様のテスターです。精密測定器で測定誤差を確認しましたが優秀な性能です。YEW3201型に比較しても見劣りしません。テスターを壊したとしてもメーカー修理依頼する価格に比較して安価であり精度も出ているため買い替えるのも最良策と思います。

精密級 0.5級の測定器との交流電圧校正作業

入門者での電子工作において最低必要な測定器です。過去には多数台のテスターを誤操作により壊してしまいました。組み立てキットなどの真空管アンプはテスター一台で完成できるのですが これらのテスターだけでは完成した性能までは確認できません。

据え置き型 デジタルマルチメーター ADVANTEST R6551
上図は作業(道楽)部屋に設置している据え置き型のデジタルマルチメーターです。通称テスターの測定範囲が同等であり精度は格段に良くなっています。この機種はハンディータイプとは異なり電池で動いていません。AC100Vの商用電源で動作するため工作室内での使用に限定されると思います。
電圧測定などは自動的に最適なレンジに移行するためアナログテスターのように手動でレンジを切り替える作業はありません。この機種は製造後15年以上経過しておりメーカー校正を受けることはできません。自己校正ですがYEW製精密級 0.5級の測定器でもって自己校正しましたが大きな狂いは見受けられませんでした。精密級同等の精度・確度を有していると思います。
この機種は非常に詳細な測定結果を得ることができます。特に1Ω以下の抵抗値の精密測定が可能でmΩ単位まで表示です。真空管アンプですとダンピングファクターに影響する出力トランスの2次側巻線の直流抵抗も正確に測定できます。又詳細な表示が必要でない時は表示桁数も変更可能です。1Ω以下の測定時には測定リードを4本使用し平衡型で測定しています。端子も専用端子で 4WΩ 端子です。

参考記載 TRIO DL-703 お蔵入りです
R6551を使用して問題が発覚 ! ! !
この機種も交流電圧が測定できます。又測定における誤差が発生しにくいように 入力インピーダンスが高く これが欠点で微小なオーディオ帯域の信号測定についてはハムのような誘導雑音で正確な電圧は表示しませんでした。又測定リードをシールドしたとしてもミリボルトの測定はできませんでした。交流レンジで正確な電圧を表示できるのは1V以上と思います。ミリバルの代用は不可。カタログではミリボルトも測定範囲内ですが。

参考記載として TRIO DL-703型 初期のデジタルマルチメーターです。製造後50年近くなると思います。アナログテスターのデジタル版であり精度は良くありません。ハンデ―タイプではなく据え置き型と思います。商用電源AC100V で動作します。一応実動しますが産業廃棄物になる手前の測定器です。

テスターを使って回路電流の測定

KMQ-60 カソード電流測定抵抗新設
真空管アンプ工作においては多数ヶ所の動作電圧をテスターを使って測定しますが 回路電流を測定するには回路網中に電流計を挿入しての測定となります。回路をいったん切り離さなければなりません。この作業は面倒くさいと思いませんか。ここで回路内の抵抗器に動作上無視できる低い値の抵抗器を電流測定用の抵抗器として挿入し その抵抗に発生する電圧を電流に換算する方法があります。真空管アンプでは挿入する抵抗は±1%誤差の精密金属皮膜抵抗の挿入です。測定する電流値の誤差を極力少なくするためにです。
左図は改修した LUXKIT KMQ-60 です。出力トランスが故障のため他社製品の出力トランスに交換後の画像です。出力管 50C-A10 の各カソードに電流測定用抵抗 10Ω/0.5W,±1%誤差、金属皮膜精密抵抗を挿入です。1Ωとすれば抵抗器での損失は少なくなるのですが抵抗器で発生する電圧は 0.05V しか発生しません。高感度のテスターでないと測定できない低い電圧です。汎用品のテスターでも測定できる電圧とするため 挿入する抵抗器は 10Ω と選択しました。
オームの法則により バイアス電流を50mAに調整する場合 E=I・R の公式から10Ωの抵抗に発生する電圧は 0.5V になります。抵抗器両端の電圧を測定すれば流れている電流が測定できます。又プッシュプル回路の場合 各カソードの電流が同じ電流となるようにDCバランス調整します。その時には各カソード間の電圧が零ボルトになるように調整します。
この抵抗に流れる電力を計算しますと 最大カソード電流が 100mA とした場合 W=I×I×R から 電力は 0.1W と計算できます。抵抗器は熱を持つと抵抗値が変化する性質があります。抵抗での消費電力が 0.1W ですので 1/4W型抵抗でも問題はありませんが 余裕をみて1/2W型の金属皮膜抵抗を選択します。
1Ω・10Ω・100Ω などの精密抵抗器を回路網に挿入すれば回路電流が簡単に換算測定ができます。測定した電圧の桁変換で電流値が判明します。異なる抵抗値の場合 測定電圧から電流値を求めるには その都度オームの法則による計算をしなければ電流換算ができません。精密な測定する場合抵抗器は最低1%誤差未満を使うことを推奨します。

真空管アンプは回路インピーダンスは半導体アンプに比較してハイ・インピーダンスです。各部電圧測定においてはアナログテスターを接続することにより測定電圧がテスターの内部抵抗値が低い場合 実電圧とはならず 電圧が変化する場合があります。そのためにはテスターに記載されている DC:20KΩ/V以上のテスターを使用することを推奨します。DC:300Vレンジでの測定であればテスターの内部抵抗値は6MΩです。YEW3201型は DC:100KΩ/V ですので内部抵抗値は30MΩです。測定誤差が少なくなる高感度テスターであるわけです。アナログテスターには必ず1ボルトあたりの計器内部抵抗値が記載されていますので レンジの電圧を掛け算すれば測定するときの計器内部抵抗値が計算できます。デジタルテスターの場合は 100KΩ/V  以上は確保できていると思います。仕様書を確認ください。


次に欲が出てきて真空管アンプの工作するために実態配線図付き雑誌などを購入しませんか。必ず工作した人がアンプの特性・性能まで掲載されていますね。掲載内容として最低 出力波形・歪・雑音・最大出力・ダンピングファクターなどが記載されていると思います。音質については各個人の感覚となりますのでどこまで信用するかは各自判断してください。組みあがったアンプの特性を調べるのに必要な測定器が存在します。
そこで次に手を出すのは オーディオの三種の神器 と呼ばれる測定器が欲しくなるはずです。

三種の神器とは

⁂ 波形観測に必要なオシロスコープ
⁂ 測定に必要な信号発生装置 オーディオジェネレーター
⁂ 微小な交流電圧を測定する交流電圧計 ACミリボルトメーター(通称ミリバル)

上記測定機器がないと雑誌の筆者のようなアンプ特性を目で見ることができません。雑誌に掲載されている測定機器を見ると高額な測定器による結果を記載されているのがほとんどです。今回紹介している測定機器はほとんど中古品の測定機器が大半です。安価に購入し自己校正・修理・調整をしていますので活用できるわけです。
ヤフオクでは中古品の測定器を 三種の神器セットとして 販売している業者も見かけます。入門者用途としても新品購入であれば3点セットは20万円はくだらないと思います。中古品3点セットを数万円前後で販売されています。ただ測定機器の精度・確度は保証できないと思いますが。道楽・趣味 の領域であれば購入も得策と思います。


③ オシロスコープ

アナログブラウン管式 ⒛MHz 2現象オシロスコープ
測定プローブの調整箇所

測定プローブ 調整不良コンデンサー容量不足 1m,sec/DIV
現在使用頻度の高いオシロスコープ  KIKUSUI COS-5020 20MHz 2現象オシロスコープです。今やオシロといえどもデジタルオシロが主流の時代ですが入門者にとっては高級なオシロであればあるほど操作が簡単ではありません。観測波形を思っているように出力することができません。オーディオ帯域での測定であれば特性として10MHzまでのオシロでも十分に活用することができます。安価な新品テクトロ製では8万円ほどの出費で購入可能ですが ! ! ! このオシロは製造後25年ほど経過していますが 自己校正・調整しましたが大きな狂いは発生していませんでした。本体のみで中古品ですが数千円で購入できました。ただ付属のプローブは添付されておらず 消耗品である新品の100MHzプローブ2本購入費用のほうが高額でした。


測定プローブ 調整不良 コンデンサー容量過大

画像の測定プローブは20MHz 2現象オシロスコープに使われていたものです。周波数特性としては 60MHz まで使用できる汎用性の多いプローブです。オシロスコープにはプローブを調整するための校正信号が付属されていると思います。
適正に調整された測定プローブ
機種により異なると思いますがこの COS-5020 CAL端子では 1KHz 1Vp-pのパルス波が出力されておりこの信号を使って測定プローブの周波数特性調整をします。一度調整をすればほとんどの場合再調整することは少ないと思います。
この作業を実施しなければ観測される測定波形が変形してしまい 実波形観測とはなりません。

CAL端子での測定プローブ調整後の波形 1KHz 0.2m,sec/DIV
BNC接栓付け根にはこの周波数特性調整用の小容量トリマーコンデンサーが小さな穴から確認できると思います。ほとんどの場合壊れやすいセラミックコンデンサーが取り付けられていると思います。慎重に調整をしなければこのコンデンサーを壊すことにもなりますので注意してください。

観測波形の水平時間軸は 1m,sec/DIV で調整するのが 観測波形での判定が簡単と思います。観測できるパルス波形の立ち上がり・立下りが直角となるように波形調整するわけです。調整ずれの場合角が丸みを帯びたり 髭が出るようでは調整不良状態であり 正常に調整された波形であればきれいなパルス波形になります。
掲載した画像はオシロスコープ 菊水 COS-5020 型 2現象 20MHz で撮影しました。撮影フードも手作り品です。

メーカー純正測定プローブを新規に購入の場合 調整後出荷していますので大きな狂いはないと思います。機種によりオシロの入力容量値が異なるためこのようなプローブに付属しているトリマーコンデンサーでマッチング調整しなければなりません。

高周波用途の300~500MHzまでを測定するオシロの場合 プローブは非常に高額です。又測定ケーブルも同軸中心導体は低容量ケーブルを使っており 壊れやすいため慎重に扱ってください。髪の毛より細い導線を使っているものもあります。プローブでの故障はほとんどの場合中心導線の断線故障です。使用頻度にもよると思いますが測定プローブの屈曲による断線故障と思います。ゆえに測定プローブは消耗品的な扱いとなるわけです。
20MHz特性のオシロの場合プローブ特性としては60MHzまで使用可能と思います。比較的安価と思いますが 中古品のオシロ購入の場合 測定プローブを付属した販売は少ないと思います。国内オシロメーカー製で測定プローブはOEMで製造されたプローブを使っているようです。菊水・岩通・日立ではCEと記載された同じ形のプローブを使っています。

オシロスコープ購入を検討されている場合 オーディオ領域での活用であれば無理をして新品デジタルオシロ購入せずとも ブラウン管式アナログ・オシロスコープ 20MHz 2現象程度の性能であれば中古市場には数多く見受けられます。旧機種でも活用できると思います。購入を検討するにブラウン管式オシロ中古市場では数千円台で購入も可能と思います。海外製ですが新品の性能100MHz以下測定プローブも数千円台で購入できると思います。現実に下記に記載しているオシロの性能は10MHzで単現象ですが不自由なく測定ができています。

オシロスコープ測定プローブでの注意事項

オシロスコープ入力端子には入力抵抗値と入力容量値が明記されていると思います。例えば COS-5020 型機では 1MΩ/25pF HP1202B 型機では 1MΩ/45pF DL2140B 型機では 1MΩ/22pF  と機種により入力容量値が異なるため機種が変われは測定プローブのトリマーコンデンサーで特性が最適となるようにプローブ内のTCを調整するわけです。

新規に測定プローブを購入した場合など プローブの周波数特性の調整が必要です。オシロスコープにはCAL(校正)用端子が設けられています。機種により異なりますがパルス波1Vp-p の信号が出力されています。その波形を観測し波形の立ち上がりと立下りの部分がきれいなパルス波となるようにプローブに付属している周波数特性調整用トリマーコンデンサーで調整する必要があります。上図のようなきれいなパルス波形となるように調整します。

自作 各種オシロスコープ・キャリブレーター

上図はオシロスコープを自己校正するために工作したオシロスコープ・キャリブレーターです。内部には正確な低歪率の正弦波が出力できる 400Hz,1000Hz 1.0V/rms 周波数確度はは数Hz以内の信号と 5Vp-p のパルス波が出力できるジェネレーターと時間軸を調整するための 2MHz,4MHz,8MHz,10MHz,20MHz 周波数確度100Hz以内が出力できるように水晶発振器が搭載されています。各水晶発振回路にはトリマーコンデンサーで発振周波数を微調整できる回路となっています。この信号をオシロで観察することによりオシロの時間軸の狂いが判明するわけです。低い周波数は NJM072 のデュアルオペアンプを使ったCR発振器を工作しました。オーディオ帯域のCR発振器はアンプの調整用信号としても活用できるように設計しました。出力端子は全数BNC接栓仕様です。

HP1202B 単現象オシロスコープ
上記オシロスコープは製造後50年近くなっていると思います。ただオーディオ帯域においては使いやすいためいまだに愛用しています。19インチ標準ラック仕様品です。

正弦波 1KHzの波形
このオシロスコープの操作を確認します。どのくらいの能力 ? が判明します。まずは垂直感度です。
20V/DIV ~0.1mV/DIV までスイッチ操作で入力感度を選択すことができます。この DIV とは観測画面上に1cmほどの碁盤の目が入っていると思います。この碁盤の目1ブロックがDIVの単位になりますので波形から電圧を読み取ることができます。
正弦波 1KHzの波形
垂直感度は0.5V/DIV の場所で測定していますので左の波形では 波形の一番高い目盛と一番低い目盛のブロック数を勘定します。約6ブロック(6 DIV)であることが読み取れます。
0.5/DIV × 6 = 3.0V であることが測定結果です。
ここでオシロ波形では波形の peak to peak を表示していますので通常使われて表現される交流電圧単位に変換しなければなりません。通常交流電圧とは実効値電圧を言います。
一般家庭用のコンセントの電圧はAC:100Vの実効値電圧ですね。
オシロスコープで商用電源 AC:100V を観測した場合 正弦波波形は 282Vp-p の波形観測となります。
正弦波の最大値を求めるには実効値電圧に √2( ルート2)をかければ 100V × 1.41 = 141V と計算できます。このときの電圧は正弦波波形の半分での計算です。オシロスコープでは 波形の一番高い位置から一番低い位置までを読み取ることになります。peak to peak の電圧は 282Vp-p です。 

中学校程度の算数により計算します。観測したオシロ正弦波波形から実効値電圧を求めるには ?

今回の測定した波形では 3.0V(p-p) であるから 計算過程として半分では 1.5V となります。最大値が1.5Vですので 1.5/1.41(√2) = 1.071V/rms と計算できます。通常実効値を表すrmsは省略する場合がほとんどです。今回測定した交流電圧は AC:1.071V/rms と読み取れました。

次に水平走査時間の単位です。このオシロスコープでは時間軸のスィッチは 5sec(秒)~0.1μsec/DIV となっています。これは選択したスイッチ位置の時間単位が1ブロック(DIV)を表しています。例題では正弦波の1サイクル分の波形が1ブロック(DIV)となっていますので この時の水平時間軸スイッチの位置は 1m,sec/DIV です。
ここで周波数と時間の公式を思い出してください。
f(周波数) = 1/t(時間) の公式でした。
上記の観測では1サイクル分が 1m,sec( 0.001sec) ですので 計算すると f = 1/0.001
 答えは 1000Hz(1KHz) となります。

観測画像から得られたデーターは 1000Hz 1.071V の正弦波波形であると読み取れます。

2番目の波形は時間軸を 0.2m,sec/DIV の波形観測です。正弦波1サイクル分のブロック数を勘定すると 5ブロック(DIV) ですから 0.2m,sec × 5DIV = 1m,sec/DIV
同じ観測波形でも電圧軸の単位と時間軸の単位を変化すればおのずから観測波形も異なってきます。各個人で読み取り波形をうまく調整してください。

TRIO CS1566D 20MHz 2現象オシロスコープ 現在お蔵入り
観測波形はリサージュ波形 ベクトルモード X,Y 軸
水平時間軸の話です。このオシロスコープの時間軸で一番短い時間軸は1μ,sec です。これを上記公式に代入すると
f = 1/1μ,sec/DIV 展開すると 1ブロックに1サイクル分の波形が観測できた場合 1MHzの周波数ということができます。通常のオシロスコープの場合時間軸の拡大モードが存在します。この機種の場合拡大モードMAGは10倍 (×10 )です。0.1μ,sec/DIV の性能です。
このモードの場合10MHz です。これがオシロスコープが何メガの特性ですかの回答です。

オシロスコープの取り扱いは慣れないとうまく観測波形は表示できません。詳しくは取扱説明書、本屋での活用本などで勉強いただきたいと思います。
特にオシロスコープは波形が止まって表示できるため きれいな画像で測定できるわけです。観測波形を止めるためには様々なスィッチ操作が必要です。もしもスイッチ位置が変わっていた場合正常な波形とはなりません。岩通ではオシロとは呼ばずシンクロスコープと呼ばれています。注意することは 観測波形の同期の取り方です。同期にの取り方にはは種類があり内部同期、外部同期があり 基準となる同期をとるための信号・チャンネル指定も必要なのです。まずはトリガーはオートモードになっているか ? を確認ください。トリガースロープ・トリガーレベルなど様々な設定があります。詳しい説明は現物を見ながらが操作するのがベストです。詳細な説明となれば初心者では不可解な内容となりますので今回は簡単な説明程度とします。多現象オシロの場合はまず単チャンネル波形観測から慣れないと オシロスープを使いこなすことができないと思います。多現象オシロでは複数の波形を同時観測・比較できるため便利ですが 簡単な波形観測から始めてください。多現象の場合 独特のモード CH,ALT,CHOP,ADD などのモードスイッチ操作も必要です。又測定端子入力においても DC,AC,GND なども選択しなければなりません。機種により遅延モード(ディレー)観測などを説明すれば頭の中が混乱すると思います。入門者の場合 多機能なオシロは避けるべきです。冒頭の20MHz・2現象オシロ程度から始められてはいかがでしょうか。

注意

今回の波形観測において測定プローブは使用しておりません。オシロスコープのBNC端子は入力抵抗1MΩ/45pF の特性です。通常10対1の測定プローブを使った測定がほとんどです。その場合プローブの特性により入力抵抗は10MΩとなり高いインビーダンス回路の測定であっても測定誤差が発生しにくいからです。その場合電圧軸は10倍の値を読み取らなければなりません。注意を要することです。
このオシロの場合ダイレクトで観測した場合電圧軸が0.1mV/DIV ですのでMCカートリッジの出力波形を観測することができるほど高感度です。そのため周波数特性は低いですがオーディオ帯域の観測については高感度でいまだに愛用しています。

水平時間軸・垂直感度軸 においては正確に測定するには各スイッチには波高値、時間軸を可変できる機構があります。VR を回して調整するのですが VR にクリック点があり カチッと止まる位置(時計回りに回し切った位置)があります。これがCAL(校正点)でありDIV升目で値を読み取ることになりますが 必ずこのCAL点になっているかを確認したうえで測定結果を読み取りください。一部の機種ではCALの位置になっていない場合 UN CAL と赤色警告ランプが点灯する機種もあります。この機構は切り替えスィッチとVRが同軸に取り付けられている機種が多いと思います。

オシロスコープで波形観測で判明する事項

最大出力の1/10 ぐらいの電力値で パルス(方形波)信号を最低3種類の周波数で観測します。出力トランス及びパワーアンプの特性がある程度判明できる波形観測です。パルス波は急激な波形でありパルスの 立ち上がり・下がり・平行度 の状態を観測します。パルス波は正弦波と異なり高調波成分が多く含まれる信号です。
測定する周波数は 100Hz, 1KHz,10KHz のパルス波です。なぜなら人間の可聴周波数帯域は個人差もありますが 通常 20Hz~20KHz 程度と言われます。年齢を重ねるごとに高域特性は悪くなります。60歳を過ぎれば10KHz以上の音は聞き分けできにくいと思います。

年寄りの評論家の言うことは信用してはなりません。なぜなら高域特性が低下している人の耳による評論であるからです。ただ目視・ブランド名により思い込みの評価が大きく影響していると思います。人間の耳の特性はフラットな特性ではありません。又個人差も大きく影響します。

オーディオ評論家様へのお願い ! ! ! 

評論する前に自分の聞き分けができる耳の特性を 校正 されてはいかがでしょうか ! ! ! 

ヘッドホンとオーディオジェネレーターがあれば簡単に試験できます。特に高域雑音の判別がしにくくなっていると思います。

例題として修復した SQ-38FD のオシロスコープ観測波形です。

SQ-38FD 1KHz(1000Hz)
右図は1KHz のパルス波形です。きれいな方形波波形が観察できます。パルスの立ち上がりに小さなpeakがありますが問題はありません。全周波数帯域においてこのような波形になれば最高なのですが 出力トランスを使った真空管アンプでは夢の話です。
半導体アンプでは広帯域に渡ってパルス波形は崩れません。

あくまでも特性を追究するのであればトランジスター・FETを使った高級半導体アンプを使用することをお勧めします。癖もない素直な音です。

10MHz特性の単現象オシロスコープの観測波形です。古い測定器ですがこのように波形観測が現在でも可能な状態を維持しています。


SQ-38FD 10KHz
右図は10KHzのパルス波を観測した画像です。パルス波の立ち上がり,立下りが少し傾いています。それと立ち上がりと立下りの先端に小さな高域のpeakが出ています。この SQ38FD は高域特性も良好であり 可聴周波数帯域は高域まで伸びている証拠です。パルス波形が大きく変形していません。波形の角が丸みが帯びた波形の場合 高域特性不良です。又可聴帯域外にpeakがある場合 上下の平坦部が過渡振動波形となる場合もあります。

SQ-38FD 100Hz

右図は100Hz のパルス波形です。上下の平坦部が平行線でありません。角度を持っています、この波形をサグといいます、特に低域周波数の特性が悪い場合 のこぎりの刃のように角度が急激になる場合があります。特にシングル増幅アンプによく見かける波形です。低域特性の悪い 出力トランス が原因で コアの容量不足かもしれません。

元々 SQ-38FD は10dB 以上の強度のNFB を施したアンプです。NFBのおかげで周波数特性は 他の真空管アンプに比べて 特性および最大出力が30Wとダンピングファクターも良好です。真空管では大出力の部類になります。測定器なしに安定した電力増幅部,周波数特性も良好となる NFB は 設計においては非常に難しい部類に入ります。下手をすれば不安定なアンプとなり異常発振することもあります。測定器なしではNFB素子の定数も変更できません。深追いは ドツボ にはまります。ご注意を。



以下の画像は真空管試験装置 2A3 シングル増幅器の波形です。上図の38FDの波形と比較してください。

下図は10KHz のパルス波形観測です。38FDに比較して波形が丸みを持っているのと 上下平坦部に小さな波が観測できます。この波形から小さなリンギングが発生しているのと 丸みから高域特性が38FDよりも狭いと判断できます。
100Hz 方形波は完全にのこぎりの刃のような波形です。38FDに比較して低域特性が伸びていない証拠です。

2A3 シングル 10KHz
2A3 シングル 100Hz

自作される場合は 3極管・3極管接続で軽いNFBで設計することをお勧めします。

元々 真空管アンプは 特性が悪く S/N比もよくありません。癖のある音を演出します。しかし人の耳には温かみのある聴き心地の良い音を出してくれます。真空管アンプと能率の良い大型スピーカーとの組み合わせは 一種のこだわりの塊です。教祖様とは異なり 他人様には押しつけはいたしません。マインドコントロールされないように 自己信念を貫いています。信者の多い教祖様の氏名を公表すれば誹謗中傷となりますのでご想像ください。 ⁂田 ⁂彦 教祖様です。

以下のオシロスコープは参考記載です。

初期型デジタルオシロスコープ YEW DL2140B型 4現象(4チャンネル入力) 300MHz サンプリング周波数200MS/s(max5GS/s)
このデジタルオシロは無線機の修理・調整用途として入手したものです。無線機の調整には高周波ミリバルで混合器などの調整項目がありますが RFミリバルは所有していません。その意味もあり波形観測から実効値電圧の調整のため使用します。RFミリバルは高額であり中古市場では数少ない測定器です。

YEW DL2140B 300MHz デジタルオシロスコープ 4現象
下図はオシロスコープキャリブレーター(HC-49U水晶発振器)信号測定です。20n,sec/DIV ですので1サイクル分の時間軸は 20×5DIV により 100n,sec と読み取れます。周波数に変換すると 10MHz となります。電圧軸は 1V/DIV(CH-1) から波形のpeak to peak は 6.4Vp-p と読み取れました。CH-2 は測定していませんので横一線のノイズ成分が投影されています。サンプリングは 5Gsps(5ギガ・サンプリング・パー・セック) と表示です。このように観測している情報が観測画面から読み取れます。
ブラウン管式オシロでオシロでは高い周波数測定はこのように明るい波形は観測できません。HF帯の無線機といえど100MHz以上の周波数を扱うためオーディオ用途のオシロでは観測できません。その意味もありジャンク品の古いデジタルオシロスコープを修復調整の結果何とか実用品となりました。

DL2140B 観測画像

ブラウン管式オシロスコープと異なり高い周波数でもきれいな波形で観測することができます。ただ波形が安定した波形でないと反対に観測しずらい面もあります。このデジタルオシロスコープの波形観測画面は液晶画面とは異なり10インチ蛍光発光面が黄色のブラウン管式です。そのため画像焼けが発生します。
ただプローブの倍率をプリセットできるため波形観測値の読み間違えは発生しにくくなります。現在販売されているデジタルオシロスコープは液晶画面でカラー液晶解像度もよくなっており開発当初と比較して安価となりました。しかし資金不足によりテクトロ製など購入できません、ガラクタ測定機器で遊んでいます。又感熱プリンターも搭載されており観測結果を紙ベースでも取り出すことができます。もちろんパソコンに接続も可能です。
入力端子は無線機を扱うため50Ωとハイインピーダンスの1MΩ端子が各チャンネルごとに選択することができます。
このデジタルオシロスコープは初期型であり重量は20Kgほどで簡単に扱うことができません。これが扱いにくい難点です。

オーディオ帯域ではほとんど YEW DL2140型を使用することはありません。ほとんどの場合 COS-5020型及び HP1202B型を使用します。


④ オーディオジェネレーター(低周波発振器)

TRIO AG202A
初期に導入した低周波発振器です。20Hz~200KHzまで4バンドで切り替える構造です。出力波形は右下のスィッチで選択します。正弦波と方形波(パルス波)が選択できます。ただ出力レベルはVRで連続可変型であり正確な周波数と出力電圧は設定できません。精密測定する場合は別付けのアッテネーター(ATT)と出力レベルを確認するACミリボルトメーター(通称ミリバル)がないと正確な低周波信号を送り出すことができません。

取扱説明書よりの定格
発振周波数
 ×1 レンジ 20Hz~200Hz  
 ×10レンジ 200Hz~2000Hz(2KHz)
 ×100レンジ 2KHz~20KHz
 ×1000レンジ 20KHz~200KHz
周波数確度 ±(3%+2Hz)    出力電圧 10Vrms ±10%
出力インピーダンス 600Ω  出力段アッテネーター 0dB,-20dB,-40dB

上記規格ですが5球スーパー用の2連バリコンで周波数を可変しており目盛はダイアル糸駆動方式であり正確な周波数は設定できません。その場合周波数カウンターなどで校正しなければなりません。

TRIO RA920 抵抗器減衰器(オーディオアッテネーター)
上記オーディオジェネレーターと併用していたインピーダンス600Ωの減衰型アッテネーターです。4つのダイアル操作により減衰できるdBを調整します。左側から減衰量可変は 20dB,10dB,1dB,0.1dB と組み合わせて減衰量を変更する構造です。オーディオジェネレーターからの出力電圧が1Vに調整した場合100mV出力とした場合20dBを設定すれば100mV出力とすることができます。このシステムの場合オーディオジェネレーターの出力電圧をミリバルなどで正確に合わせないと使い物になりません。
特にレコードプレヤーのRIAAイコライザーの周波数特性調整には必要なアッテネーターです。

SHIBASOKU AH979G  DISTORTION METER / OSCILLATOR
上記測定器は複合型の測定器です。歪率計とオーディオジェネレーター及びACミリボルトメーターが搭載されています。又正確な10dBステップのアッテネーターも装備しているため 付属のミリバルで基準出力電圧を確定すればアッテネーターで正確な出力レベルを得ることができます。通常 は0 dBm 0.775V にCALのマークがありミリバルで校正してから目的の作業に入ります。精密測定する場合発振周波数は周波数カウンターで作業前校正となります。しかし通常の運用であれば周波数表示はデジタル表示数値で表示されている周波数と出力される周波数差は各周波数とも誤差も少なく 比較的ラフに使用できます。

歪率計部は任意の周波数で測定することができるのですが 測定値を得るにはフィルターの同調作業が発生し簡単には正弦波の歪率を測定することはできません。オーディオジェネレーターはデジタル表示であり4つのスイッチ操作により10Hzから0.1Hzステップで200KHzまで設定することができます。ただ方形波(パルス波)は出力できませんので別機種を使用しなければなりません。ミリバルの最少測定レンジは 1mV/fs です。10dBステップで最大1.0Vですが入力アッテネーターが装備されており-40dBであれば測定できる最大電圧は100V/fsです。

測定用入力端子は平衡600Ω端子と不平衡ハイインピーダンス型端子を選択できます。入力トランス方式でタムラの業務用入力トランスが使用されています。
この測定器を使いこなすには ある程度専門的な知識がないと使いこなせないと思います。400Hzと1000Hz だけであれば固定フィルタータイプの自動歪率計が簡単に操作できますので入門者にはお勧めです。条件として低歪率の正弦波発振器が必要です。オシロスコープ・キャリブレータは自作品ですが 400Hz,1000Hz のCR型発振器の歪率は 0.015% であり 運用時の周波数ドリフトは 1Hz以内  レベル変動 0.2dB以内です。周波数確度も良好です。TRIO AG202Aよりは高精度です。


⓹ ACミリボルトメーター(通称ミリバル)

TRIO VT106S
上図はACミリボルトメーターです。初期に導入した機種です。TRIO AG202A,CS1553とRA920 を組み合わせて使用していた測定器です。AUDIO SSVM と記載されていますがSSVMとはソリッドステート ボルトメーターの略称と解釈しています。中央のスイッチ操作により測定レンジが可変される構造です。最小測定電圧は 1mV/fs から 10dB ステップごとに測定電圧を可変できる構造です。メーター目盛は10もしくは30/fs であり測定レンジにより数値を換算しなければなりません。
この機種では最低測定電圧は -60dB,1mV/fs ~+50db,300V/fs まで測定することができます。これらのACミリボルトメーターは 正弦波交流信号の実効値電圧を表します。波形の異なる交流信号の場合表示している電圧数値には必ず誤差が伴います。
商用電源のAC100Vとは 50Hz又は60Hzの正弦波であり テスターなどで測定した場合 実効値電圧100Vを表示するものです。

TRIO VT106S のメーター目盛板
上図はVT106Sのメーター目盛板です。目盛を観察してください。一番上段からV,ボルト単位の目盛板です。上側は 10/fs でその下段は 3/fs となっています。レンジの数字が最大の電圧を表示しています。測定電圧の換算に注意してください。
下段の赤い目盛はデシベル表示です。このセレクトスイッチは10dBステップでありレンジによる目盛変化はありません。
この機種は製造後40年以上と思います。使用している間には故障も発生しました。何も測定していないのにメーターの針がランダムに振れる症状です。回路に使われていた東芝製NPNトランジスターのマイグレーション症状によるトランジスターのリーク雑音です。新しいトランジスターに交換後校正作業の後 現在でも正常に動作します。
当時TRIOの測定器はHPのように高級機種ではありませんでしたが メーターはYEW製で1.5級120型パネルメーターを採用されておりこれだけは褒めてあげたいと思います。
これらの機種の精度は通常のテスターと同様の ±3%誤差があると解釈ください。精密級の測定器ではありません。

LEADER LMV-87A AC MILLIVOLTMETER

通称ミリバルと呼ばれるのは何故でしょうか ?

よく似た測定器にバルボルと呼ばれる測定器が存在します。現在ではほとんど見かけません。現在同等としては据え置き型デジタルマルチメーターが該当すると思います。 VTVM バキューム・バルブ(チューブ)・ボルト・メーター の略称で日本名真空管電圧計(バルブ・ボルトメーター)と呼ばれます。略してバルボルと呼ばれます。バルボルはテスターと同様の操作で高入力抵抗値性能であり オーディオで扱う1V以下の交流電圧測定には適していません。そこで高入力インピーダンスで1V以下の交流信号を正確に測定するためのバルボルをミリバル(ミリボルト・バルボル)と呼ばれます。昔の測定器は真空管が使われていましたが現在ではIC・トランジスターが使われ真空管は使用されていません。極少ないですがミリボルと呼ばれる方も現実には存在します。

デシベルとは

元々有線電話設備での減衰量・増幅度の計算において掛け算・割り算名が簡単な足し算・引き算としてあつかわれてきました。当初電話の発明者の名前の頭文字からベル(B)の単位でしたが扱いにくいため1/10補助単位のデシ(d)を付加しデシベル(dB)を使うようになりました。
電話設備のインピーダンスは600Ωです。この600Ω負荷における発生する電圧をdBに換算しています。基準レベルは 600Ω負荷に1mWの電力が消費した時の電圧が基準となっています。オームの法則を思い出してください。W=I・E     E=I・R の公式から
600Ωに1mW の数値から電圧を求めると 1mW=0.775V と計算できます。赤色の下側の目盛を見てください。dBm目盛です。0dBの位置を上の10/fs であるV目盛との同じ位置は 0.775Vが一致しています。
なぜdB目盛が2種類ありますが理由は何でしょうか。答えは基準単位が違うからです。0.775V と 1.0V の0dB が存在するからです。そのため基準デシベルを確認する必要があります。
一部音響機器では製造工程で基準レベルを 1.0V 0dB としたため 従来からの電話設備で採用されている 0.775V 0dB が存在するからです。
区別するため 0.775V は0dBm  1.0Vは0dB と表記します。詳細表示は 1.0V,0dBv と表示します。単位に注意して区別してください。デシベル表示用の目盛が2種類ある理由です。
特にステレオなどの調整の場合 2針ミリバルなどは扱いやすい測定器ですが所有していません。又卓上型デジタルマルチメーター R6551型も検討しましたが誤差が多く使い物になりません。
交流信号を測定するための測定器でVUメーターが存在しますが正規のVUメーターであればオーディオ帯域の0.775Vの正弦波信号をVUメーターに接続すると 0dB の位置を示します。プロ用のミキサーアンプ・テープレコーダーに採用されています。民生用のオープンリールデッキ・カセットデッキなどは測定器であるVUメーターは搭載されておりません。測定器と呼べない ラジケーター 目安表示です。一部の民生用オープンリールデッキには正規の整流型電流計のVUメーターが搭載されている機種もあります。

一応三種の神器までお話ししましたがこれだけでは特に真空管式出力アンプの場合測定・調整に支障があります。工作などしたアンプを実動させるのですが実際にスピーカーなどを接続した場合諸問題が発生します。
最大出力時大きな音量で大変ですね。又NFB回路において回路がPFBとなった場合アンプが発振しスピーカーを壊す恐れがあります。
そこで必要なものは疑似スピーカーです。


⑥ オーディオ用 疑似負荷(ダミーロード)

所有している真空管アンプの場合 LUXMAN SQ-38FD,KMQ-60 ですが最大出力は片チャンネル30Wの能力です。もしもこのアンプで能率の良い100dBクラスのスピーカーで音を出すと6畳ぐらいの部屋では大音量となり近所迷惑となります。又耳を傷めます。
そこで疑似スピーカーに接続して特性をチェックするわけです。

オーディオ用 と指定しました。理由は高周波を扱う場合疑似空中線(疑似負荷)は 50Ω インピーダンスであるからです。

工作した疑似負荷抵抗 ダミーロード
工作して30年前後になると思います。それまでは8Ωもしくは16Ωの巻線ホーロー抵抗器を裸で接続し測定していました。使い勝手が悪いため汎用品を使って疑似負荷装置を工作しました。真空管アンプでは出力トランス結合でトランスタップにより様々なスピーカーのインピーダンスに対応できるようになっています。半導体アンプではほとんど負荷インピーダンスは6Ωか8Ω仕様になっていると思います。近頃は大出力の能率の悪いスピーカーが多くなり大入力電力値である スピーカーインピーダンス 4Ω のスピーカーも存在します。
そこで真空管アンプ特性試験用 4Ω,8Ω,16Ω に対応した疑似負荷装置を設計しました。

ダミーロードの内部構造
内部には8Ω30W型巻線ホーロー抵抗を4本使った構造です。回路は2回路ありステレオで調整できます。まず負荷抵抗として16Ωの場合抵抗を2本直列とし8Ω+8Ωで16Ωとなります。4Ωの場合は抵抗を並列接続とし 合成抵抗は8Ωの並列で4Ωです。8Ωの時は抵抗1本のみとし8Ωになります。ただ許容電力は30Wです。並列・直列接続の場合は許容電力は倍の60Wとなります。接続を変更する部品としてタイト製ロータリースィッチで制御します。
又出力波形および電圧を測定する端子を2種類取り付けました。2チャンネル同時に測定することはありません。測定するチャンネルをスイッチ操作により切り替えます。
又治具内にはTRラジオ用直径 50mm 8Ω/200mW のスピーカーが2個取り付けてあり 測定している音を聞くことができます。そのままでは小型スピーカーが壊れるため直列に200Ωの抵抗を接続です。又スイッチ操作によりモニター音の 入・切 操作も可能としてあります。疑似負荷に対して200Ωが並列接続となりますが 測定においてはほとんど誤差は発生しません。
現在であれはメタルクラッド抵抗を使用することをお勧めします。メタルクラッド抵抗は放熱板を併用しなければなりません。無誘導巻きの抵抗もありますが抵抗器・巻線インダクタンスはオーディオ帯域では無視できると思います。
測定において長時間実働することは少ないと思います。大出力のアンプの場合抵抗から大量の熱が発生しますので測定時には注意してください。数Wの真空管アンプ測定であれば問題ないと思います。半田ごての消費電力を思い出してください。30Wもあれば真空管アンプ工作には不自由なく半田付けができますね。それと同様の熱が抵抗で発生します。ゆえに長時間大電力で測定する場合注意が必要なわけです。異常発振を起こした場合スピーカーのボイスコイルが焼き切れる現象が理解できると思います。昔テープデッキのCUE出しで キュルキュル音出力中スコーカーを飛ばした経験もあります。

あれば便利で簡単に工作ができる測定器であると思います。

測定器購入であれば 日本オーディオ製 真空管アンプ総合測定器 UA-3S型(税込み \151,200-) がおすすめです。小生は購入資金がありません。

次に欲が出てくるのがアンプの歪率の測定ではないでしょうか。特に製作記事などで最大出力及び歪特性がグラフなどで説明されていると思います。


⑦ 歪率計 歪率の測定

自動歪率計 MEGURO MAK-6571A
歪率とは何でしょうか。歪とはこの場合波形のゆがみですね。入力した信号が増幅器を通過するときに同じ波形になれば問題がないのですが 増幅回路の特性などにより入力された信号が異なる信号に変化した場合その変化分を率で表すのが歪率です。ということは測定する信号が正弦波の場合 入力された信号と出力された信号を比較する回路が入った測定器です。そのために正弦波の信号をフィルターである同調回路で正弦波成分だけを除去し 残った信号を歪分として%で表すのが歪率計です。
上記歪率計は測定操作が簡単ですが 特定の周波数しか測定することができません。MAK-6571A の場合 400Hzと1000Hz の正弦波信号しか測定することができません。オプション用のフィルターマウントエリヤは確保されていますが実装してありません。フィルター周波数の確度については ある程度周波数誤差に余裕があるため測定波の周波数ずれには測定値に大きな問題は発生しません。
任意の周波数で歪率を測定する場合④で説明した AH979G を使わなければなりません。測定に際し4つのVRで測定する周波数の微妙な同調作業が必要となり 簡単な操作ではありません。
自己満足であればほとんどの場合 400Hz,1000Hz の歪率(THD)を測定すればそのアンプの仕上がりが判明すると思います。
歪にも偶数次高調波・奇数次高調波などが基本波に重畳されており 追究すると嫌な数学となりますので割愛します。もしも勉強する場合教科書などでお願いします。

fig‐1 出力1W,歪率0.04%
入手した歪率計は中古市場には数が少なく又金額も結構高額です。とりあえず歪率計を入手しなくてもある程度歪率の確認方法を記述します。
最低低歪率の低周波発振器・オシロスコープで話を進めます。工作した真空管アンプでの話です。特に歪率については終段管がシングル動作か ?  プッシュプル動作か ? により歪方が異なります。歪の少ないアンプは直線性の良い3極管又は3極管接続アンプに軍配が上がります。特にプッシュプル増幅アンプは歪打消し効果により特性は良くなります。

fig-1のオシロスコープ画像は改修した SQ-38FDの1000Hz 16Ω疑似負荷 1W出力時での観測波形です。この波形が MAK-6571A で歪率 0.04% を測定しました。非常に真空管アンプとしては低歪率です。この時の出力トランスは OY15-5 が断線故障していましたのでタンゴ CRD-5 を搭載した時の特性です。

fig-2 出力31W,歪率3%
fig-2 のオシロスコープ画像は歪率計で 3% の波形です。
この時の電圧を波形から読み取れば出力電力値が計算により求めることができます。歪率計の場合は実効値電圧が観測できますので次式により求めます。
W= I×E  W = E×E/R ですね。
判明している数値を代入します。歪率計の電圧が実効値で22.5V を観測しました。
公式から 22.5×22.5/16 から 出力は 31.64W です。定格の最大出力が確認できました。
この数値から LUXMAN SQ-38FD の初期性能が維持できているのが判明します。

歪率計を所有していない場合は オシロスコープ観測波形より実効値を換算すればよいのですが結構面倒な計算です。そこで疑似負荷にミリバルを接続して実効値電圧を読み取るほうが得策と思います。正弦波の先端が歪かけているのが3%の歪率波形です。この波形を参考に測定すれば大きな測定誤差は発生しないと思います。

2A3 シングルアンプ 1000Hz 正弦波 歪率3% 出力3.5W
2A3 シングル 1000Hz  歪率10% 出力4W
上図は真空管試験装置 2A3 シングル・モノラルアンプの観測波形です。SQ-38FD 1000Hz 最大出力 THD3%の波形と比べてください。38FDの場合波形の上下先端部が平らになっているのが観測できます。しかし2A3の場合 歪率が3%時の波形は詳細に観測しなければ歪成分がどこかであるかが不鮮明と思います。同じ3%歪率であっても波形が違う理由は 2A3 の場合 全体的に波形が歪んでいるからです。だから波形の先端部は歪波形と見れないわけです。
歪率が10%の波形では波形の両先端が非対称です。この歪方がシングルアンプの特徴です。又波形の歪方が極端でないため ソフトディストーションで耳障りになりにくい と言われシングルアンプの愛好家も多数存在します。
又38FDのように強度のNFBであれば 最大能力を超えると極端に波形が変形し 歪の現れ方が顕著で嫌う方もおられます。

38FD の場合最大出力で波形の先端だけがクリップ・歪状態であるからです。歪率計は正常な正弦波成分を除去して残った歪成分を%で表示する仕組みです。

小生は SQ-38FD は好んでいるアンプの部類です。なぜなら家庭で音楽鑑賞の場合 常時聞いているときの出力は多くても 1W 前後と思います。ということはアンプは A級 増幅で動作しており 直線性がよく歪が少ない動作領域であるからです。瞬間的に大きな信号であっても歪ません。アンプに余裕があるからです。しかも常用スピーカーの能率は 96dB ほどあります。612J では 100dB を超える高能率のスピーカーです。
38FD を使わなくても家庭内であれは 5W~10W 程度の真空管アンプであれば十分に活用できます。

もしもオシロスコープを所有している場合実際に音出ししている状態でスピーカー接続端子の波形を観察されるとよいと思います。
2現象オシロスコープであれば両チャンネルの波形が同時に観測できます。常用使用している状態で果たして何ワットの電力でヒヤリングしているでしょうか。スピーカーの能率にもよりますが1ワットの電力での波形であれば インピーダンス 8Ω のスピーカでは 正弦波の場合 を考えますと
W=I×E  = E × E / 8(Ω) であれば 正弦波電圧 E は 2.28V(rms) です。
オシロスコープの波形で考察すると 正弦波 2.28V(rms) の波形を観測すれば 
2.28×2×√2 = 6.44Vp-p です。
オシロスコープで観測する場合 10対1 のプローブを使っての観測であれば 垂直感度レンジは 0.1V/DIV の場合とすると 正弦波の両先端の波形は 水平軸を中心に上下対象の波形が 上下 3.22 升目(DIV) となっているはずです。この状態で通常の音出しではどのような波形となっているかを確認してください。一般的な日本家屋での音出しであれは 1Wの音であればうるさく感じるはずです。通常の音楽を聴く場合 正弦波とは異なり連続した大きな音としてはないはずです。

真空管アンプでは能率の良いスピーカーが好まれるわけです。高々3Wほどの真空管アンプでも十二分に活用できています。

近年の 80dB 前後 小型能率の悪いスピーカーではありません。能率の悪いスピーカーでは大出力アンプを使わなければまともな音とはなりません。ブランド名・購入金額と S/N比を自慢し アンプは 100W だの 200W だの 極太スピーカーケーブルは 数万円 ? 高出力を自慢する別の世界の人々にはついていけません。


次に入手したいと思う測定器は時間軸の測定に必要な測定器と思いますが ? オーディオジェネレーターなどは正確に発振しているか ? が気になりませんか。
周波数を測定する測定器が時間軸の測定である 周波数カウンター・ユニバーサルカウンターという測定器です。


⑧ 周波数カウンター・ユニバーサルカウンター

この測定器も測定できる周波数・用途に応じて様々な機種が存在します。オーディオ帯域での使用であれば高周波の測定は必要ありません。通常100MHz程度を境に購入費用が違ってきます。
組み立てキット的な周波数カウンターであれば数千円で入手は可能と思います。ただ精度・確度はメーカー品と異なり保証できません。

TAKEDARIKEN(現AVVANTEST)  TR-5142 80MHz
上図はタケダ理研(現ADVANTEST) TR-5142型です。製造後40年ほど経過していると思います。画像の測定では 1000.1Hz を測定した状態です。以前自己校正ではNTSCアナログカラーテレビ放送で使っていた 色副搬送波の 3.579545MHz のカラーバースト信号を使って周波数校正をしていましたが テレビ放送がアナログから地デジ放送に代わってからは自己校正用の信号が得られず悩んでいました。
性能としては 80MHz の測定能力ですが通常周波数比較(サンプリングタイム)の時間単位は1秒間隔で周波数をカウントして表示するモードを多用しています。高周波であれば MHz単位ですのでサンプリング時間は0.1秒モードでの測定です。
上記の画像はサンプリング時間は10秒モードで精密測定をしています。
この測定器には内部に基準信号の10MHz水晶発振器があり この周波数を基準に未知の周波数を測定する構造です。測定確度は基準信号である10MHzの精度により確定され購入価格は基準信号の精度と最大測定周波数に比例します。

HP 5216A 12.5MHz   HP5268A FREQUENCY MULTIPLIER
LEADER LDC-822 80MHz
上図は製造後50年ほどと思います。HP製ラック仕様 周波数カウンター12.5MHz と逓倍器です。周波数カウンターの表示はニキシー管で数字表示管とも言います。現在お蔵入り状態です。逓倍器とは低い周波数を逓倍して高い周波数に変換する装置です。1.0Hzであれば1000倍まで逓倍でき 低い周波数も正確に測定するためのアダプターです。ということは mHz 単位まで汎用の周波数カウンターで測定できることになります。この逓倍器は正確なオーディオ帯域の基準信号校正用として現在でも愛用しています。低い周波数を測定するにはレシプロカル方式のユニバーサルカウンターも販売されていますが所有していません。

下図は 高周波を測定するために入手したユニバーサルカウンターです。特に 100MHz 以上の周波数を正確に測定するためにですが オーディオ帯域でも十分に活用できます。一応基準信号の 10MHz は TCXO が搭載されています。OCXO 搭載品は数が少なく高額です。

ユニバーサルカウンター IWATSU SC7203 1.3GHz
上図は周波数カウンターの心臓部である10MHz 基準信号発生装置の TCXO水晶発振器の校正作業です。TR-5142型の10MHz水晶発振器もGPSレシーバーで得られた正確な10MHz信号での校正しました。プリヒート後10MHz に対して数Hz以内となるように校正・調整です。

SC-7203 10Mz TCXO
色々実験しましたが周波数カウンターの校正にはGPS衛星からの正確な信号により標準信号として簡単に得られます。メーカー校正に出さなくても自前で校正ができます。GPS信号と比較した結果通常の周波数カウンターは結構周波数変動が確認できました。変動といっても10MHzに対して多くても 数10Hzの変動ですが。 基準信号に恒温槽式水晶発振器(OCXO)であれば通電プリヒート後1Hz以内の周波数変動になります。この SC-7203型でも30分通電後数Hz以内の変動周波数に抑えるには苦労します。電源回路の放熱・室温の変化の影響による周波数変動が確認できました。

周波数カウンターは正確な測定する場合 最低30分以上プリヒートタイムが必要な測定器であることが判明しました。

次に工作において使う部品類の単体試験するための測定機器が欲しくなります。なぜなら部品の規格が外れたものを使用すれば完成度は満足できる物にはなりません。それが怖いのです。特に真空管は過去の遺物となるデバイスであり 真空管全盛の時代とは異なり 数多くの種類、本数が確保できません。これらのデバイスを使いデジタル機器全盛の時代に個人の感覚となりますが 心地よいお昼寝の音楽鑑賞には捨てがたいデバイスであるからです。
テスターで部品単体試験・確認できるのは抵抗値の測定ですね。しかし1%誤差までは測定できません。真空管オーディオで使う部品としてコンデンサー・コイル類がありますがテスターだけでは正確な容量値・インダクタンス値は測定できる測定器ではありません。
これらを測定する精密測定器にインピーダンスブリッジといわれる測定器が存在します。世間ではほとんど見かけることはないと思います。物理の実験室にも見かけたことはありません。


⑨ インピーダンスブリッジ

DELICA   IMPEDANCE BRIDGE  MODEL 1100
上記画像は製造が1967年製で50年ほど前です。真空管全盛時代に三田無線研究所で製造された MODEL 1100型です。出荷時のスペックでは1%以内の誤差で測定できる優れものです。
工作した1000pFまでの容量測定器

この機種で測定できるのはホーイストン・ブリッジ回路で基準抵抗との比較で精密測定する構造です。理論の詳細は無線工学・電気理論などの教科書を確認ください。現在であればデジタル式 L・C・Rメーター が該当します。安価なものであれば一万円以内で購入できると思います。
この測定器の構造は直流電圧でブリッジ測定と1000Hzの内蔵発振器信号でブリッジ測定するものです。ということは1000Hzにおける コンデンサーであれば Xc キャパシタンス コイルであれは Xl インダクタンスが測定できる構造です。それ以外にコイルの場合 Q,値 コンデンサーの場合 D,値が測定できます。それ以外に真空管式アンプの必需部品・出力トランスの1000Hzにおけるインピーダンスの測定・巻線比の測定が可能です。
作業前には精密抵抗±0.5%~0.1%誤差品などを使い測定器が正常に動作しているかを確認後 各部品を精密測定します。基準となる コンデンサー・コイルについても誤差の少ない精密級の部品で動作チェックします。特に出力トランスなどの巻線比・インピーダンスが測定できるため重宝します。おかげさまでコンデンサーの容量値の精密測定が可能であり重宝しています。
抵抗器の抵抗値測定だけであれば 据え置き型デジタルマルチメーターR6551 が操作は簡単で精密測定できます。市場では交流信号による L・C・Z 値を精密測定する機器類の種類・数は多くありません。

真空管アンプ作成においてデバイスで確認したいのは 肝心の真空管個別の特性ですね。コンピューターを使ったトレースカーブを記録できるものもありますが 高額でありほとんど手に入らないと思います。あるとすれば製造後50年ほどとなる アメリカ軍用真空管試験機 TV‐7D/Uぐらいしか思い浮かびません。中古市場には数少なく精度は ? と思います。

右図は所有している TV-7D/U のコピーですが テストデーターチャートだけが手元に残りました。以前所有していた TV-7D/U の残骸です。故人となったオーディオ仲間に譲ったため 現在手持として所有しておりません。現在所有しているのは下記の国産真空管試験機です。









⑩ 真空管試験機(チューブチェッカー)・真空管試験装置

DELICA MODEL 1001型 真空管試験機
上図は所有している国産真空管試験機です。三田無線研究所製で製造は1965年製です。製造後60年近くなるものです。この試験機は真空管全盛時代に この真空管はつかえるか ? 廃棄する真空管か ? をメーターに記載されている色で判別するのが主目的と思います。
少し見えにくいですがメーター目盛部上部には赤色 ? 緑色 に区別されています。添付されている真空管データー表に従い各項目をセッティングした後 テストボタンを押したとき針がどこを示すかで真空管の良否を判断するのがたぶん 正規の真空管試験機の使い方と思います。赤色であれば廃棄不良管、? はそろそろ寿命ですよ ! ! の注意管、緑色であれば正常管 と簡単に真空管の良否区別できるように設計してありました。
個別の gm も測定できるのですが 公開されている真空管規格表に記載されている数値ではなく この測定器での gmを 表すものであり添付されているデーター表に記載している gm とを比較し良否判定します。

添付されていた真空管個別データー表の一部
本体に付属している真空管ソケットでは測定できない場合 別付けのアダプターを使い各電極を真空管規格表を見ながら配線状況を変更できるためのアダプターで測定します。正規のアダプターは紛失したため新たに工作しました。真空管ソケットは 7MT,9MT,US,12ピンコンパクトロン と4種類の真空管の端子番号を番号順に端子台に並列接続してあります。他にノーバ管,マグノーバル管などがありますがオーディオ用途でないため実装はしておりません。
測定器本体からのリード線はアダプターの端子台に接続します。10連の端子台です。コンパクトロン管 足の数は12本ですが接続されない足があるため間引きで端子番号を決定しました。 P,プレート・G,グリッド(G1)・K,カソード・SG,スクリーングリット・H,ヒーターリード2本とG3,サプレッサーグリッドとカソードを接続するためのジャンパー線・プレート,グリットキャップアダプターで成り立ちます。これを使えば様々な配線状況の真空管に対応できるわけです。
左の図は本体に添付されているデーター表です。試験機を操作するためのデーターが 真空管の種類,スイッチの位置およびVRの設定値が記載されており この測定器で得られるgm値および注意事項が明記されています。

工作した電力増幅真空管試験装置
上図は基本的にはカソードバイアス 2A3 シングル・モノラルアンプそのものです。出力トランスは LUX SS5B 2.5 シングル用アウトプットトランスを使っています。所有している MODEL1001型真空管試験機で測定後 複数本の機器抜き取り管を使い 2A3p-p アンプを設計し組み立てましたが真空管規格表による各項目の記載されているスペックが出ませんでした。原因は真空管試験機による個々の真空管データーを信用して組み立てた結果です。
又 SQ38FD,KMQ60 に使用されている 50C-A10 及びペアチューブとは異なる 6C-A7 各真空管のアンプ設計動作電圧に近い電圧で上記真空管試験装置を使い 真空管選別をすれば固定バイアス動作の場合 DCバランスは半固定VRほぼ中点で各真空管のバイアス電圧はバランスが取れます。これがプッシュプルアンプの 出力管ペアリング作業 です。又真空管後期製造分の 50C-A10 などはコンパクトロン管ソケットは実装されておらず 比較データー表もありません。

特に 50C-A10 などは市場では枯渇していると思います。新品の真空管は数が少なく あったとしても高額です。中古管動作品として市場では見かけますがこのような試験機でデーターを取らなくてはまともにアンプは修復できないと思います。シングルアンプの場合は真空管個別特性がばらつきがあっても大きな問題とはなりにくいですが SQ38FDのような高出力プッシュプルアンプの場合 各真空管の特性が異なっている時には歪率・出力電力に影響します。アイドリング電流・DCバランスが狂いやすい真空管です。固定バイアスの場合 時間経過に伴い動作領域が不安定となります。最低30分以上アンプを通電し その後規定値に調整しなければ最良の調整とはなりません。
 50C-A10 は水平偏向出力管 6J-S6C と構造はよく似ており 元々バラツキが多い真空管で有名な迷球です。銘球 ?

この真空管試験装置で各真空管のデーターを基準に真空管アンプを修復・調整すれば悩まず初期スペックが得られると思います。

能率の悪い古典管 45・2A3・300B から 6B-Q5(EL84)・ 6C-A7(EL34) ような ハイgm 近代管まで様々な管種の聞き比べができるため。真空管アンプを設計する時には手助けとなります。そのために真空管ごと適正なバイアス電圧が必要です。と言うことはバイアス電圧の違いによりドライブ電圧もおのずから違ってくると言うことです。初段12A-U7,SRPP ドライブ段 12A-X7,SRPP と余裕ある前段となるように設計しました。又NFBの量も変更できなおかつ NFBを施さない 無帰還アンプとしても動作させることができます。
小生の場合無帰還アンプは設計・工作しません。あくまでも直線性の良い3極管・3極管接続で軽いNFB量のアンプを設計・工作します。一種のこだわりです。
6L6p-p(5881) 5極管接続のアンプとも聞き比べをしましたが やはり3極管,3極管接続のアンプのほうが自分何なりに気に入っています。ダイナコMKⅢ(6550p-p) 60W UL接続のアンプも同様に聞き比べましたが 結論は同じで3極管(50C-A10はピーム4極管の3極管接続管)に軍配が上がりました。ただ正規の3極管は  2A3,45,300B などですがフィラメント構造であるため残留雑音から逃れるには苦労します。それらの理由によりカソード仕様の多極管3極管接続を多用する理由です。

古典管に属する UZ-42 (6F6互換) は五極管ですが 3極管接続の時には大出力は望めません。しかしバイアスが深く直線性がよいため軽いNFBを施したアンプは捨てがたいアンプに仕上がりました。 3極管接続AB1プッシプルで出力は5W強です。5極管シングル動作では 4.5W の出力です。3極管接続シングル動作では出力電力は下がり プレート電圧250Vで出力は0.8Wしかありません。故 浅野勇氏は直熱3極管 45 に似通った音質であるともいわれています。フィラメントではなくカソードであるため残留雑音が少ないアンプです。夜間シングルコーンの P-610 との組み合わせは最良と思います。
近頃 真空管は高額な WE-300B だと いわれる方も多数存在します。過去の遺物ですが多数製造された安価な汎用管にも良い音を出してくれる真空管は存在します。それは UZ-42,及び同等管 6F6 系と思います。同等管として汎用管である真空管は名称が異なっていますが 同じ特性管は現在でも多数入手可能と思います。
UZ-42,6F6,6F6GT,6F6G,2A5 などソケット形状・外観・ヒーター電圧が異なりますが特性は同じ球です。

真空管試験装置 回路図

余談

上記真空管試験装置はモノラルアンプとして動作ができます。この試験装置は3極管又は多極管の3極管接続で動作する構造です。真空管に加えるプレート電圧も大まかですが変更できる構造としてあるため 真空管の個別での音質違いなどが判明するアンプです。小型電力増幅管7MT 6A-R5,9MT 6B-Q5,GT 6F6,ST 2A3,GT 6C-A7,コンパクトロン 50C-A10 まで様々な真空管のA級シングルアンプとして音楽などを聴き比べができるアンプです。
その時は通常使用しているモニタースピーカーのインピーダンスは8Ωですので 直列接続とし 16Ωでのモノラルアンプとして動作できる環境として遊んでいます。


⑪ まとめ

くだらない内容であったかもしれません。ラジオ少年から始まったこの道楽・趣味の領域でのお話でした。個人的なお遊びであり 投稿料・お金をもらってくだらない批評する評論家ではありません。自己信念での過去からの経験をもとに記述してきました。道楽は押しつけはいたしません。どこかの教祖的な信念までを押し付ける気はありません。多少とも過去の遺物である真空管システムの古き良さを述べたにとどまめます。多少の参考とはなればと思い掲載しました。
TFT解析まで記載している場合もありますが 測定機器を購入してまで実証する気はありません。新品からの高額な測定機器はほとんど所有していません。数少ないポケットマネーで入手した物ばかりです。多少故障していても自力で何とか使えるように努力しています。後数十年も経過すれば粗大ごみ扱い・産業廃棄物となるのが目に見えます。近代的なお遊びではありません。過去録かもしれません。デジタル全盛時代 時代の流れには逆らえません。しかしアナログにも良いところはたくさんあります。少し過去を振り返ってはいかがでしょうか。数十万円以上するアナログブレーヤー・数十万円以上するMCカートリッジの組み合わせを自慢している因業爺さんのようなシステムは組めません。金銭の乏しい 無銭庵 仙人 では夢の別世界です。ガラクタ収集でも十二分楽しめます。

掲載内容は他に掲載しているブログの抜粋内容でもあります。詳細については以前から個別ジャンルとして掲載しているブログ内容も参考として参照ください。無銭庵 仙人 で検索すればブログリストが出てくると思います。


無銭庵仙人の独り言

この道楽作業においては全世界共通の決まりごとがあります。それは長さの基準 メートル基準器の存在です。重さも同じです。キムグラム原器ですね。
真空管アンプなどで扱われる単位として 電圧・電流・電力・周波数 などにも基準があるからこそ文献を読んで理解ができますね。
機能を証明するのに必ず数値などで表現されます。このアンプのプレート電圧は ***V,カソード電流は ***mA などと表現されます。これを測定する測定器の精度が異なれば表される数値にも誤差が生じます。これを極力誤差の無いように測定機器を校正しなければなりません。製造メーカー・工場では品質管理の点から定期的に測定器を校正しています。
しかしメーカー校正は費用も必要で15年以上も経過した測定機類はメーカー校正を断られ新品の測定器に買い替えしていると思います。近年測定機器類も高精度・高価格となりメーカーでは校正証書のついたリース測定機器が大半です。経費処理ができるからです。購入すれば固定資産計上しなければなりません。固定資産償却するに年数がかかり 10年もすれば機器自体の性能も異なり使い物にならない場合もあります。技術進歩が異常な速さで進んでいる証拠です。携帯電話で考えればすぐに理解できると思います。20年前のハンディーホン・10年前のガラケー電話機と今のスマホと性能比較してください。

校正済みの測定機器は校正証明書が発行されます。これが商品売買において性能証明となります。又必要な添付資料となることもあります。所有している測定機器類の大半は校正を断られた放出品です。

ここは道楽作業の領域です。校正作業は自前で行います。基準となる基準器があれば内部構造さえ把握できれば個人でも校正作業は可能です。所有している校正基準器を紹介します。
メーカー・校正作業事業者が校正に使用している基準器とは異なります。道楽・趣味の領域での個人的な判断で自己校正用の基準器として選択したものです。 Class 0.5 以上の精度は確保できていると思います。使用する基準器は校正証明書は取得しておりません。自己満足の世界です。

以下の記述は自己校正用基準器の紹介です。


交流・直流 電圧・電流 校正基準器

左 YEW 201400 交流電圧・電流計   右 YEW 201200 直流電圧・電流計
上記測定器は Class 0.5 (0.5級)の直流・交流 電圧・電流計です。一応 可搬型精密級測定器になります。副標準基の手前の性能です。誤差は0.5%以内が保証されており 機械的構造も簡単で長期間経過していても誤差はほとんど発生しておりません。ただこのような測定器は横河電機では15年をめどに買い替えを推奨されています。骨董品アナログテスターのお化けのような外観です。

参考価格     YEW201400  \91,000-税別    YEW201200  \83,000- 税別

校正作業と 調整,校正作業とでは内容が異なります。

① 校正とは 基準器との照合であり指定された複数ポイントで基準器の表示と校正する機器とを比較する作業です。基準器との誤差を報告書に明記し校正証明書を発行します。
② 調整,校正とは 基準器と比較しますが基準範囲を逸脱していた場合 修理調整作業を実施したのち校正証明書を発行することになります。

マイコンなどを搭載したデジタルマルチメーターなどは回路部品が調達できないなどの理由により おおむね製造後15年ほど経過した測定器は校正作業を断られます。

YEW 2011 36 class 0.5 直流電流計
YEW 2011 36 内部構造
上図・左図は未使用新古品で入手した YEW 2011 36 class 0.5 精密級電流計です。電流計として 0.1A,0.3A,1.0A,3.0A f/s の直流電流が測定できます。自己校正基準器として YEW 2012 00 型を所有していますが 回路実験などをする場合 定電圧電源(PR 602A)などを使って電子工作をしますが 精密に回路電流を測定するに YEW 2012 00型では本体が結構な大きさであるため 常用電流計として活用しているものです。内部構造は可動コイル型電流計と4種類の分流抵抗しか使われていません。簡単な構造であるため故障しらずの精密級測定器です。この測定器を回路に直列接続した場合 測定器挿入による電圧降下は 50mV です。
参考価格  YEW2011 36  \46,000- 税別

基準電圧発生装置などの基準器は市場にほとんど出回っていません。あったとしても非常に高額です。これらの理由によりアナログ精密級の測定機器を使って自己で校正しています。個人的には①の作業で常用使用しているテスターなどを点検しているわけです。校正作業で得られたデーターをテスターの裏側に校正年月日と共に張り付けてあります。
時には工場出荷スペックを外れた測定機器の場合部品の取り替え・調整作業をすることもあります。

YEW3201 の回路計は校正・調整手順書も入手しました。回路計内部にある部品としては 抵抗器・ゲルマニュームダイオード・コンデンサー・電流計・単一乾電池などです。もしも抵抗器が焼損の場合代用品取り付けもしくは抵抗器まで自作します。
使われている分圧・分流抵抗器は誤差が1%以内の精密な抵抗器が取り付けられています。
これらの抵抗の組み合わせにより 量産品のテスターですが精度・確度も確保されており 修理・校正後でも工場出荷時のスペック内に収まっており 安心して道楽作業が継続できます。

校正用 直流電源・交流電源装置は汎用品および自作品です。交流の場合電圧可変はスライダックトランス(単巻きトランス)を使うこともあります。

高感度デジタルクランプメーター
交流電流を測定する測定器に回路網を切断せずに回路電流を測定する機器は クランプメーターと呼ばれます。デジタル型,アナログ型が存在します。特に強電の電流測定に多用されます。構造はアンペアの右ねじ法則を応用した測定器で 電線に交流電流が流れた場合 理論により交番磁界発生し その磁力線を検出コイルで交流電流に変換し 指示装置を駆動する測定器です。単相2線式で話をすると機器に接続する電線を2本ともクランプメーターで挟めば交番磁界は同相と逆位相との合成となり同じ電流値の場合 お互いに打ち消しますので磁力線は発生しません。これを応用したのが 高感度クランプメーターです。左図が測定画像で 簡単に漏電電流及び線電流を計測できる測定器です。近頃は電子回路部品を使った機器が増加し 昔のように簡単に500Vメガーで絶縁抵抗などを測定すると 電子部品が破壊するため使用できない場合も多々発生します。クランプメーターの場合 電線と電流計を直列に接続しないため 回路網を切断せずに漏電電流・線電流が測定できるため近年多用される測定方法です。クランプ方式(CT・カレントトランス)で複数個所の電流値を同時に測定できる測定器も存在します。しかも遠隔監視の場合もあります。交流電流を測定する場合 単相の場合は1本のみクランプメーターを接続して測定します。今日では直流電流も測定可能なクランプメーターも存在します。

このクランプメーターも上記 精密級交流電圧・電流計で校正します。


抵抗値測定校正用 ダイアル型可変抵抗器

YEW 2786 10 DECADE RESISTANCE BOX
YEW2786 10 を使って YEW3201 の抵抗値測定校正
上図はダイアル型可変抵抗器 YEW2786 10です。横河電機では標準器の抵抗器を使えばよいのですが種類を揃えるに高額となります。(標準抵抗器の価格 \198,000-税別)そこで細かく抵抗値をダイアル操作により可変抵抗器を用いて回路計の抵抗値測定での校正作業に使用しています。選択する抵抗値にもよりますが精度は0.1%誤差から0.05%誤差までの抵抗値に設定できる優れものです。測定器での表現では Class 0.1~0.05 に相当します。副標準級です。この測定器は抵抗値として100KΩ程度までです。これ以上高抵抗の基準として1MΩ,10MΩ,100MΩなどの基準値は±1.0%誤差の精密抵抗で 高抵抗(絶縁抵抗)を測定する 500Vメガー(絶縁抵抗計)などは校正作業に使用します。

参考価格 \207,000-税別

元々この可変抵抗器の使用用途としては機械類の制御機器に使われているセンサー類(サーミスターなど)抵抗値の変化を検出して制御する個所の疑似センサーとしてよく使用される測定器です。微弱な変化量0.1Ωステップで動作確認ができるため産業用として多用されているものです。


単相電力計(消費電力測定)


YEW 204102 DC・AC POWER METER
上記測定器は完成した真空管アンプの消費電力を測定するものです。別名掛け算器と呼ばれています。電力とは電圧と電流を掛け算すれば答えは求まります。通常電力計といえば思いつくのは電気料金確定用の積算電力計を思い出しますが それとは異なり通電している機器の消費電力を精密に測定できる測定器です。この測定器も Class 0.5 です。

世間ではあまり見かけることがない測定器かもしれません。

この測定器をうまく使うと 大出力真空管アンプの場合例えば SQ38FD などでは正常時の音を出さない時 アイドリング時に消費電力値を測定して記録しておけば 真空管のアイドリング電流変化が消費電力変化にもつながりますので機器点検目安として活用が可能です。

参考価格 \116,000-税別


周波数カウンター・ユニバーサルカウンター校正基準器

工作した 10MHz 校正基準器
10MHz 校正基準器内部構造
この工作した基準器は時間軸(周波数)の基準となる信号を出力します。

周波数校正用基準器は市場には数多くありません。又あったとしても高額であり 今回GPSレシーバーを応用した 基準となる正確な10MHzを簡単に得ることができました。GPS衛星から地球に向かって送信している電波は セシウム原子時計で制御された電波を使っています。多くの方がカーナビでお世話になっている電波の応用です。 
ただこのシステムは常時天空からの電波を受信しなければなりません。ということは室内では建物に電波が遮断され使い物になりません。屋外にGPSアンテナを設置すれば運用できるのですがアンテナ線がひも付き状態で運用には問題があります。
そこで基準器の中にGPSレシーバーを内蔵し 外部アンテナが使用できる場合はGPSから得られた基準信号10MHzを使います。GPSアンテナを接続しなくても内部には恒温槽式水晶発振器(OCXO)が内蔵されています。このOCXOをGPSからの信号で校正してあります。GPSからの10MHzの信号と OCXO からの信号誤差は10MHz に対して0.2Hz以内の誤差になっていますので10MHz基準器と同等といえます。OCXOの特徴として 発振器内部はヒーターで一定温度に保たれる構造であるため 通電後発振周波数が安定するまでは使い物になりません。ほぼ15分で安定発振領域になります。

この信号を使って所有している複数台の周波数カウンターは 機器内部の10MHz発振器をエージング後校正してあります。

ここで周波数カウンターの精度を上げる手腕があります。

それはこの校正基準器を使って SC-7203 型機では外部入力 10MHz 入力端子があるため 周波数カウンター本体に正確な10MHz を供給すれば 格段に精度及び確度が向上します。

余興として 真空管アンブそのものに使用する測定器ではありませんが 1970年ごろから真空管アンプに接続していた オープンリールデッキ・カセットデッキを修理・調整するための測定器のお話です。


ワウ・フラッター メーター(WOW FLUTTER METER)

LEADER LFM-39A ワウフラッターメーター
オープンリールデッキ・カセットデッキとは音楽信号を磁気テープに記録,再生できる音響機器です。1970年前後からテープレコーダとは異なり HI-FI ステレオ録音・再生装置をいいます。1970年以前はモノラルテープレコーダーとしてスピーカーを内蔵した商品が主流でしたが デッキというスピーカーの付いていない機器がステレオの一般普及に伴い業界からはデビューしました。当時はマルチチャンネルステレオ・4チャンネルステレオが爆発的に普及しました。もちろんレコードはアナログレコード盤の時代です。

松下 OW-190 3KHz/19cm/sec フルトラック記録
TEAC YTT-5001A 400Hz 0dB LEVEL SET TAPE
この数年前から 1970年から1985年前後に製造販売されたオープンリールデッキ 1/4 inch幅テープ仕様の4トラックを主に多数台蘇生しました。その修復過程において初期性能が出ているか ? を確認するための測定器です。テープデッキは回転部のある機械部分とテープ走行系 磁気ヘッド・磁気テープに記録・再生アンプ部が搭載された商品となっています。上記測定器は真空管アンプには使用することはありません。ミリバル・オシロスコープなど必要な測定器は真空管アンプに使った測定器も並行使用します。

TEAC TEST TAPE  MTT-111N, MTT-114
上記測定器を使用にあたり必要な信号源が必要です。それはテストテープと呼ばれるものです。磁気テープですが測定器の一部と考えられます。このテープを元に各デッキは調整されます。それでないと他機種で使用した場合機器の互換性を取るためにも必要な条件です。
左図はオーブリールデッキ用19cm/sec テープスピードおよび回転ムラ測定用途として 磁器テープには3KHz の信号がフルトラックで記録されています。
当時のテープデッキのテーフスピードですが ほとんどの機種では 38cm/sec,19cm/sec か 19cm/sec,9.5cm/sec の2スピード型が主流でした。そのデッキのテープスピードを確認・調整に必要なテストテープと測定器の組み合わせです。3KHzの信号を測定器の入力端子に接続すると 測定器内には3KHzの基準信号があります。それと入力された3KHzを比較してセンター零のメーター(DRIFT)に表示する仕組みです。テープスピードが正常な場合 針は中心部零を表示しスピードが遅い場合マイナス側 早い場合は+側に針は振れます。目盛の数字は%を表します。針が+1の表示ではテープスピードは1%早いことを示します。その時の周波数は3030Hzを観測します。テープスピード誤差は±0.5%を目標に調整します。周波数カウンターで周波数を測定した場合 2985Hz~3015Hz の範囲に調整となります。この時の数値であれば テープスピード誤差は±0.5%となります。19cm/sec のテープスピードのデッキであればワウフラッターの表示は0.04%前後の数字が出ればデッキの特性としては優秀です。

右側のメーターは同時にデッキの回転ムラを表示します。回転ムラが発生している場合 出力される信号は正しい間隔の正弦波信号とはなりません。その信号を本体内の基準信号と比較し誤差分をメーター表示するものです。正確な3KHz信号であれば針は振れません。又ワウフラッターのパーセント感度レンジ切り替えができます。テープデッキの取扱説明書・仕様書には ワウ・フラッター特性の数値も記載されています。

カセットテープのテストテープは TEAC MTT-111N 3KHz です。テープスピードは4.8cm/secです。テーフ幅はオープンリールテープのほぼ半分です。

0.03,0.1%レンジは33回転,45回転のレコードフレーヤーの回転ムラに使用するレンジです。その時には テストレコード盤 3KHz の信号箇所を再生して測定します。今となれば3KHzの信号が記録されているテストレコード盤入手に苦労すると思います。

SATIN M-11E DP-3000 G-940
近年 アナログレコードプレーヤーが高価格で販売されています。このデジタル時代に昔のアナログレコード盤の良さが見直される時代となりました。
当方のシステムはいまだに真空管式イコライザーであり愛用しています。RIAA偏差は±0.1dB 以内です。当時のレコードフレーヤーも健在で実働します。型番は DP-3500型 です。アームは1ポイントサポート・オイルダンプ式 GRACE  G-940 です。カートリッジも当時物を複数個所有していますが 当時のカートリッジ針,購入・調達に四苦八苦です。それはMC型 M-11Eの替針です。アナログレコード盤,再生頻度はあまり多くありません。デジタル音源となりますが DCD-3500g を愛用と PCからはハイレゾ音源も再生可能なシステムを構築しています。
アナログレコード盤は ほとんどCDフォーマットに変換していますので現在のデジタル音源です。真空管システムでPCから再生可能となっています。昔録音した生録音・音源についてはD/A変換作業に伴い オープンリールデッキも修復しデジタル音源に変換しました。おかげ様で多数台のオープンリールデッキを手に入れ 道楽作業ですがほぼ初期性能まで修復できました。ただオープンリールテープ新品の生テープは入手難であり動態保存するには苦慮します。オープンリールデッキ修復用のテストテープまで自作です。テストテープ作成するために市場では数か少ない1/4インチ,フルトラックデッキまで入手して修復後テストテープ作成してしまいました。

LFM39Aも故障は発生しました。3KHzの信号を比較用信号とするためのコンパ―レーターICの故障です。製造後40年近くなると思います。半導体販売会社などを地球規模で探しましたが見つけ出せんでした。回路構成は2電源供給のICです。使い方も特殊でしたが現在入手できるオペアンプも使い方ではアナログ増幅器が2ユニット封入してある NJM4558DD をコンパレーター仕様として修復の結果 正常動作となり安堵しました。なお比較用基準信号の3KHz発振器も周波数カウンターで精密測定しましたが1Hz以内の誤差におさまっています。
この測定器がある場合 特にカセットデッキなどはサイクル交換の必要がない DCサーボモーターを使用した機器がほとんどです。安価なDCサーボ方式から高級なPLLサーボ方式まで使われています。必ずスピード調整機構がありますのでテストテープの3KHzがあれば正確にしかも短時間で調整は終了します。オープンリールデッキも後期製造品は 電源周波数に同期して回転するシンクロナスモーターから DCサーボモーターへと変化していました。TEAC Xシリーズ(X-10Rなど)ではブラシ(整流子)構造のモーターでありブラシレスモーターは見かけません。家庭用VTRなどのキャプスタンモーターは 3相交流ブラシレスモーターです。しかも水晶制御クオーツモーターが採用されていました。

最後まで長時間お付き合い有難うございました。骨董品オーディオ 道楽・趣味の世界の話でした。


My Audio system

STEREO CONTROL CENTER LAXKIT  A3400
STEREO CONTROL CENTER LAXKIT  A3300+A33
Luxman SQ-38FD 50C-A10p-p triode class AB1 30W
LUXKIT KMQ-60  50C-A10p-p triode class AB1 30W
6C-A7p-p triode connection class AB1 15W
3C33p-p twin triord class AB1 10W
WE-421A  twin triode single class A 3.0W
6B-Q5p-p  triord connection class AB1 5.2W
6F6Gp-p triode connection class AB1 5.5W
2A3p-p  triord class AB1 10W
2A3,S  triord Loftin-White class A 3.5W
6CK4p-p  triord class AB1 6W
300Bp-p(china) triord class AB1 15W
KT88(china)p-p(or GE6550A ) triode connection class AB1 20W
IC power amp TA8210AH BTL 2-ch 8Ω 11W
IC power amp LA4708 BTL 2-ch 8Ω 11W
DIATONE P-610FA twin + TW-23 bass reflex 130 Liter BOX
DIATONE P-610A(BTS 16Ω) single  bass reflex 80 Liter BOX
ALTEC LANSING 612J monitor (604-8K)
onkyo E-53A 3way 30cm woofer  3.5cm dome squawker  2.5cm soft dome tweeter
PC  intel core i5 3470 3.2GHz 4-core os win10,pro 64bit
USB A/D, D/A converters onkyo SE-U55SX

by musenan sennin